スタミュミュ カリグル 本公演 感想
ミュージカル「スタミュ」 team柊 単独公演 『Caribbean Groove』
会場:舞浜アンフィシアター
上演時間:1時間55分
5/31(金)13:00開演 Aブロック7列
18:00開演 Fブロック14列
6/2(日) 17:30開演 千秋楽
ニコニコ生放送配信
(以下ネタバレ)
開演2日前に8月のミュミュ3からは虎石和泉役高野洸さんのキャスト変更が発表されました。とてもショックでカリグルを見たくないという気持ちもあったのですが、最後の虎石を見届けようと思い、何とか会場に向かいました。
セットリスト(☆は新曲。そのあとの()は歌い出しの歌詞です)
1.Caribbean Groove(アレンジ)
2.WILD CROWN
3.ONE CHANCE
4.☆クリス、アルベール(今夜も君が眠れるように)
5.☆アルベール、ティエラ(覚えてるか 親父の船がお前たちを拾った日)
6.夢*冒険パイレーツ
7.☆ジョバンニ(生まれた日から根無しの草)
8.☆アルベール、アンサンブル(Five 未来へと)
9.NEVER LOSE CRUISING
10.真実のゆくえ〜To tell the truth〜
11.☆全員(何が起きたんだ本当に)
12.☆ジョバンニ(生き抜くために何でもした)
13.☆クリス、ティエラ、アンサンブル(ありゃ俺がまだガキの頃)
14.Oceanality
15.Caribbean Groove
16.☆ジョバンニ(僕のいる場所はもうどこにもない)
17.☆クリス、アルベール(そうだ覚えている)
18.☆クリス(失い傷つきながらそれでも守ってくれた)
19.☆クリス、アンリ(小さな俺の弟)
20.Starahip Runway
以下ショーパート
21.スター・オブ・スター!
22.キラメキラキラ☆
24.The Elegance
25.カメレオン・スター!
26.ファンタスティック★REVUE
27.Welcome,Thank you
アンコール
28.スター・オブ・スター!
日替わり挨拶
5/31昼マルゲリータ
6/2夜マスカルポーネ
昨年のレビュー公演よりはるかにパワーアップしており、今回が本公演であることがとてもよくわかりました。何よりストーリーもレビューと同じとはいえ、前作よりも濃く描かれなかった部分が追加されていたことが大きかったです。
切ないオルゴールをBGMに子供の笑い声が響くところから物語は始まります。かつて国では争いごとがあったこと、王子は海へ逃れたこと、そして両親を看取れなかったことなどが語られます。
場面が変わり、ブラッディー・ロジャー号が敵船と戦うシーンへ。
1曲目は「Caribbean Groove」
1番のみのアレンジあり。
ジョバンニは槍で、他メンバーは剣で戦います。そして敵船を追い返します。
2曲目は「WILD CROWN」
千秋楽のクリスはいつもより力強く迫力があるように感じました。
虎石がキャス変ということもあり、「約束をしただろ 帰ってきたぜ」という歌詞が刺さります。
コップカンカンも成功!全公演成功だったらしく素晴らしいです。
アンリは今日の戦いで目立つ成果を上げていないとティエラに咎められ、アンリは甲板へ出ていってしまいます。
それを見たクリスは「弟をいじめるな」と、ティエラと喧嘩に。「おーやーめーなーさい!」とアルベールに止められますが、見ていないところで喧嘩は続き、とうとうハンマーでティエラの頭をゴチン!本公演では武器が出てきてしまった…(^_^;)「彼を傷つける訳には…いかないでしょーがー!!」(いかないでしょーがー!!)
甲板にいるアンリの元へはジョバンニが慰めに。そしてジョバンニが自分は孤児だったことを告白します。
「故郷も帰る家もない」
「君には家族がいる」
ジョバンニが語っている時に、クリス、アルベール、ティエラが手を差し出している姿がとても刺さりました。
3曲目は「ONE CHANCE」
前作よりもワンオクターブ低くなりました。1番のサビではアンリも一緒にダンス。途中から楽しそうになる姿が可愛らしかったです。
そして
「君には本物の仲間がいるんだから…」
とジョバンニは暗闇へ消えていきます。
場面が変わり、クリスはアルベールに自分が船長になりたいと屈託のない笑顔で話しています。しかしクリスが船長になれば王子を殺そうと目論む組織の標的になることを恐れ、拒否します。
4曲目はクリス、アルベールによる新曲。
「いつか一緒に海へ行こうよ」
「ええ、いつか2人で」
と約束を交わしクリスは床につきます。
クリスが就寝し、ティエラと大人の時間を過ごすアルベール。クリスを船長にしたくない理由をティエラに話します。
5曲目はアルベール、ティエラによる新曲。
かつて陸の上で過ごしていた頃の話をします。そしてティエラは自分のことも頼って欲しいとアルベールへ。
次の日。アンリは手下たちと掃除をしています。
「サボったら…おやつ抜きー!でも頑張ったら…おやつ2倍ー!」
異常に嬉しがる手下に「真ん中で1人で踊りなよ!」と、激しいロックダンスにバク宙!
6曲目は「夢*冒険パイレーツ」
千秋楽の歌い方がとても男らしかったです。でもアンリの無邪気さも垣間見えてこの船の中では最年少という部分が伝わってきました。
目を閉じて歌っているところではアンリと向き合う俳優星元裕月が見えた気がして、刺さりました。
そしてクリスはジョバンニへアンリを慰めてくれたことに感謝を伝えます。ジョバンニは宴に1度も顔を出したことがないので、次回の宴に誘い、ジョバンニは快諾をします。
しかし…
「嘘は得意なんだ」
ジョバンニはクリスの命を狙う密偵だったのです。
海賊の一員の顔と密偵の顔とで表情や声色が変わり、丹澤さんの演技力の凄さと戌峰の天才さを感じました。
雇い主にクリスとアンリを連れてくるよう指示されます。しかし「彼らはまだ子供だ」と拒否する素振りを見せ、「情が湧いたのか?」と言われます。
7曲目はジョバンニによる新曲。
前作よりもはるかに歌唱力が上がり驚きました。声が伸びやかで、ジョバンニの心の葛藤が表現されています。
「胸など痛むはずもない…!」と言うジョバンニの顔は強がっているようにも見えました。
そして陸地に辿り着いたブラッディー・ロジャー号。
ティエラの客降りで、上陸したことを表現されていて良い演出方法だなと思いました。
アルベールも祖国へ上陸しますが、昔との変わりように驚きます。そこへ1人の少年、ピエールと出会い、13年前に先代の王が今の王に殺されたために王が変わったこと、王子らがみな殺されたことを聞き、集会所へ招かれます。
集会所では決起集会が行われており、今の王を殺す計画が企てられています。アルベールは考え直すよう言いますが、聞く耳を持たないレジスタンス。
8曲目はアルベール、アンサンブルによる新曲。
民たちの決起の歌でした。この曲は圧倒という言葉が一番合っていると思います。Bメロでアンサンブルが持っていた服を真ん中に集め、ジョルジュが火をつけ、照明を赤くしたことで死体を火葬したという演出がとても印象深かったです。
街から戻ってきたティエラにアルベールが街の民と出会い起きたことを話します。
9曲目は「NEVER LOSE CRUISING」
キレキレのダンスの中にもアニメに声を寄せる余裕が見えます。アニメの虎石和泉の楽曲ではなくミュミュの虎石和泉のオリジナル曲ということで、この曲を歌えるのは高野洸さんだけ。最後のネバクルはありがとうの気持ちでいっぱいでした。
ティエラに「クリスはお前を兄のように慕っている」と言われるティエラ。
場面が変わり、クリスとアルベールのシーン。
クリスはアルベールはこの街に来てから少し変だと言います。
10曲目は「真実のゆくえ〜To tell the truth〜」
とても重く感じました。戦うべきか葛藤するアルベール。悩む表情がとても辛かったです。またアルベールの後ろで屈託のない笑顔で笑うクリスも逆に辛くなりました。
11曲目はキャスト全員による新曲。
アルベールがいなくなり皆が探します。
クリス「何故消えた?俺を残して…」
アルベール「そばにいられたら…でも行かなければ、命が尽きようと」
ティエラ「死に急いだりすんなよ」
アンリ「みんながいつもと違う!怖いよ!」
ジョバンニ「時が来た。仕留めるなら今だ。…でもこれでいいのか?」
ジョバンニがクリスに情が湧いたことを察したアボルテは次の策を練っており、ブラッディー・ロジャー号は敵船に責められます。洞窟へ逃げ込むブラッディー・ロジャー号。
そしてジョバンニはクリスの命を狙います。ティエラはジョバンニが密偵であることを察します。そこでクリスが王子であったことが判明しますがクリスは理解が追いつきません。
「仲間の前で殺してやるよ。俺は死ぬ時は1人だから羨ましいよ!」
とクリスが刺されようとします。
そこへアンリが止めます。
「クリスは僕の家族!アルベールもティエラもジョバンニも!」
アンリの中でジョバンニの記憶がフィードバックします。
「君は家族じゃないの!?僕許さないからね!!」
アンリの言葉で目が覚めたジョバンニは密偵をやめます。
12曲目はジョバンニによる新曲。
「痛みは感じないはずなのに胸が疼くのはなぜ」とクリスたちに情が湧いていたことを認識します。そしてジョバンニはブラッディー・ロジャー号の本当の一員として受け入れられます。
そしてクリスは自分が知らない幼少の頃についてティエラに問いただします。
13曲目はクリス、ティエラ、アンサンブルによる新曲。
アルベールがクリスとアンリを連れて国を出て、ティエラの父に拾われたこと、片目が奪われたことについてなどを知ります。
クリス「夢で見たあれは君との思い出か…何も知らなかった」
14曲目は「Oceanality」
冒頭の「俺は君からどれだけの物を貰い、どれだけの物を奪ったのだろう」というセリフは辛そうでしたが、イントロは力強く、この一瞬でクリスはアルベールの元へ向かうという決心をしたように見えました。少年から海賊へ、海賊から王子へ成長する姿が見えました。
1番の「Beauty of ocean」でアルベールと手を繋いでいたものの、アルベールから手を離した仕草はとても辛かったです。
そしてアルベールの元へ向かうブラッディー・ロジャー号。
祖国の民たちと戦うアルベール。ピエールが怪我をし物陰に隠れます。そしてジョルジュがやられ、「あんたはこの国の民だ」と言われ息を引き取ります。皆の無念を果たそうと戦いますが、アルベールも攻撃を受けてしまいます。
そこへ来た仲間たち。
クリスの「この国を守るのが俺の役目」という言葉を聞き、クリスが全てを知ったことを悟ったアルベール。
「おかえりなさい、我らが王子」
15曲目は「Caribbean Groove」
気迫を感じました。勇ましすぎる5人の姿が響きます。王子であり、海賊でありのクリスが少年と経て王の姿に。
戦いが終わり、街に平穏な日々が訪れます。
ピエールに「この国の王になって欲しい」と言われますが、「自分は海賊だから」と断るクリス。
16曲目はジョバンニによる新曲。
雇い主を裏切り、クリスらを裏切ろうとした自分の居場所はないと、皆を見届けたら姿を消し、1からやり直そうとします。雇い主を裏切ったことに後悔はないと清々しい表情のジョバンニ。
クリスは再び航海に出ようとしますが、アルベールについてきてほしいと言えずにいます。
17曲目はクリス、アルベールによる新曲。
心做しか一瞬国で暮らしていた頃の幼い子供に見えました。故郷に平和が訪れて安心した表情の2人。
18曲目はクリスによる新曲。
17曲目のリプライズっぽさもあります。アルベールについてきてほしいもののもう何も奪いたくないと思い、言えずいたクリス。
とうとうクリスが航海に出る日となり、見送るティエラ、アンリ、ジョバンニ。
「アルベールはこの国を愛しているから言えなかった」と旅立とうとします。
しかしそこへアルベールの姿が。
アルベール「私たちは親友。これからもいつもそばに」
クリス「国はどうなるんだ」
アンリ「僕がこの国に残る。ねえ君、手伝ってよ!」
とアンリはジョバンニとともに国に残ることに。
19曲目はクリス、アンリによる新曲。
アンリの成長を嬉しく感じるクリス。お互いがお互いを愛おしそうに見つめています。
「海と陸、離れていても永遠に家族だよ」
そして船は出航します。船から叫ぶクリス、アルベール、ティエラに陸から応えるアンリ、ジョバンニ。
「離れていても心は一つ」
20曲目は「Starship Runway」
イントロで涙が止まりませんでした。千秋楽はキャストさんも泣いていました。
そしてブラッディー・ロジャー号の出航がこの物語の終わりであり、新たな始まり。そしてミュミュ自体の終わりであり、始まりのようにも感じました。
そして前作のOP映像だったものが今作のEDとして流れ、物語は終演。
ここからはteam柊のショーパートへ。
21曲目は「スター・オブ・スター!」
スタスタの衣装で登場!みんなキラキラしていてMVからそのまま飛び出してきたように感じます。
22曲目は「キラメキラキラ☆」
魚の風船の演出で海の中を表現しています。サビからは客降り。
戌峰の「もっと5人で海に行かない?」というセリフが可愛くも胸に刺さりました。
客降りで登場。観客との距離が近すぎる。この虎石は伝説になるなと思いました。
2番からはマイクスタンドで高校生らしからぬ色気ムンムンに。
「好きだよ」はいつもより甘く優しめに感じました。そして千秋楽では曲が終わったあとに「ありがとな、子猫ちゃん愛してるぜ」というセリフが。
高野洸さん、虎石和泉を演じて下さって本当にありがとうございましたという思いでいっぱいでした。
24曲目は「The Elegance」
みんな大好きジエレ。クオリアの風吹きすぎです。安定の二人の世界でした。
25曲目は「カメレオン・スター!」
本当にただならぬオーラが凄い。
ちむらぎは本当にすごいチーム。椅子がたーんはちょっとヒヤヒヤしましたが(^_^;)
そしてダンサーズによるダンスタイム。
タンゴ調の情熱もありつつセクシーな演出。死ぬほどかっこよかったです。ピルエット大好き芸人なのですごく良かったです。
26曲目は「ファンタスティック★REVUE」
衣装はイメージカラーのタキシードっぽい前作お馴染みの衣装。
肩組みながら歌う姿が本当に最高で泣いていました。
27曲目は「Welcome,Thank you」
客降りあり。何もかもが辛く感じました。もう終わっちゃうから。
「かっこつけさせてよ 今日だけでいいから」という歌詞がめちゃくちゃ刺さってしんどかったです。千秋楽は戌峰くん泣いてました。
そして皆さんのご挨拶。みんな泣いてて当の本人である高野さんはゆるめの挨拶で逆に和みましたが、これでこのteam柊を見るのは最後と思うと涙が止まりませんでした。
そしてアンコール28曲目に「スター・オブ・スター!」
この曲がちむらぎの代名詞でもあるので最後がこの曲で良かったかもしれないです。笑顔で歌う5人の姿は胸がいっぱいになりました。
カーテンコールは4回のスタンディングオベーション。虎石和泉役高野洸さんの華々しい卒業公演のようなものにもなりました。
8月の3rdからは天花寺、月皇もキャス変、そして新キャストにストテラ4人が追加し、新たなスタミュミュが始まります。正直私はまだ受け入れられていません。これも時間の問題だと思いますが、新たなスタミュミュの1ページとしてゆっくりでいいから受け入れていきたいなと思いました。
高野洸さん、鈴木勝吾さん、ランズベリー・アーサーさん今までありがとうございました。そして新キャストの皆さん、よろしくお願いします!
「離れていても心は一つ」
「いつも心にCaribbean Groove!」
ここまで読んで下さりありがとうございました!